えいおにIBDログ

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管理栄養士 兼 クローン病患者のえいおにがクローン病に関する情報を発信します!

職場復帰と経過報告【ブログ/2019.9.30-10.6】

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こんにちは。管理栄養士兼クローン病患者のえいおにです。

3週間の入院後、満を持して職場に復帰しました。

体力は思ったより落ちており、さらに状態もあまりよろしくない。

本当はもっと頻繁にブログを更新したかったのですが、今週は身体の回復を優先させるためブログがおろそかになってしまいました。

申し訳ありません。 

退院後の経過

9月30日(職場復帰初日)

プレドニンのせいか緊張のせいか普段の起床時間より1時間早く目が覚めた。

思った以上にすっきりと起きてしまったため2度寝もできず早めに仕度をして出勤。

始業の1時間前に着いたので事務所にはもちろん誰もいない。

制服に着替えているとパートのおばちゃんが出勤。

「お帰り!元気になった?」の言葉か心に刺さる。

ごめんね。元気になる病気ではないんだよ…。

心配させないように心の中でそう思いながら元気になったフリをした。

勤務開始10分前になるとほかの管理栄養士たちが次々と出勤。

一人一人に挨拶をしながら、心の中ではどう思われているのだろうと不安が募る。

自分が休んだことによる謝罪と休ませてもらった感謝を仕事で返そうと思った。

 

病棟に行くとお世話になっている看護師さんたちも心配してくれていた。

患者さんたちは1か月で半分くらい入れ替わったかな。

復帰の挨拶と患者さんの経過を追うだけで1日があっという間に過ぎてしまった。

 

結局昼はエレンタールだけ。夕飯はお粥と具なしの茶碗蒸し。

食事をしたら急に眠気が襲ってきたのですぐに風呂に入り、復帰初日が終わった。

10月1日(職場復帰2日目)

今日も変わらず1時間前出勤。

昨日と違うことと言えば疲れすぎて朝までぐっすり眠れたことくらいか。

夜間帯の患者さんの状態をカルテで確認しながら始業の時間を待つ。

 

8時20分勤務開始前の朝礼。科長からパートさんが一人休むことになったと報告があった。

シフトを確認すると各々予定があり、手の空いている者といえば復帰後で軽めの仕事を付けてもらってる僕くらい。

・・・やるしかないよね。そっと手を上げた。

 

午前中はいつも通り病棟での栄養管理。

午後からは厨房に入って食事の盛り付けは配膳などのお手伝い。

やっと生活に慣れてきた状態でのこの仕事はきつかったけど、動いたら動いた分だけ体力が戻ってくる気がした。

 

本日も昼はエレンタール

昨日が糖質+少量の脂質だったから、夜は糖質+食物繊維にしよう。

冷凍うどんや乾麺はコシがあるからと思い、コンビニで茹で麺を購入。

柔らかーく煮込んだうどんに白菜と玉ねぎを入れた。

うどんってこんなに美味しかったんだと噛みしめながら食べ進める。

10月2日(職場復帰3日目)

週の真ん中。体力もだいぶ戻ってきた。(・・・と自分に言い聞かせる)

今日の大仕事は患者さん個人に合わせたリクエスト食の提供。

入院期間が長い分、お楽しみ程度に週1回個人の希望に合わせた食事を作っている。

今日作るものは、ラーメン、ちらし寿司、サンドイッチ、天ぷら。

もちろん味見は少しだけするけど、お腹の負担にはならないように要注意。

それよりも問題なのは、1か月以上関わってこなかった味付けに触れて食欲が爆発しそうになったということ。

昨日まではエレンタールでやり過ごせたけど、今日の昼は空腹感で仕事が進まない。

コンビニに向かい、味噌汁とウイダーインゼリーを買って空腹感を抑えることにした。

 

夜に食べたものはお粥と豆腐の野菜かけ。

この日からやっと糖質+脂質+食物繊維が揃った食事へ。

量は少なめだけど少しずつ腸が食事に慣れていることを期待している。

 

…ちなみに、血便は定期的に続いている状態。

クローン病さん。お願いだからこんなに早く再燃しないでください。

10月3日(職場復帰4日目)

今日は特に忙しい仕事もなくゆっくりと一日を過ごすことが出来た。

血便続いているけど、小腸や大腸ではなく直腸付近の出血な気がする。

ドロッとした粘血便ではなく、さらさらとした鮮血便。

便に行っても行ってもすっきりしないしぶり腹の症状があるから直腸の炎症なのかもしれない。

10月4日(職場復帰5日目)

明日は休み。今日は休日前のラストスパート。

土日に患者さんの食事変更をしなくていいように昼ごはんの回診で一人一人に声掛け。

食べられているか、食べにくいものはないか、困っていることはないか。

毎日話はしているけど、改めて聞くといろいろな意見が出てくる。

お粥が食べやすいと思っていた人がご飯を食べたいって言ったり、

歯がないのに硬いお肉が食べたいって言ったり。

 

わかりましたよ。次のリクエスト食に期待していてください。

腕によりをかけておいしい食事を作ります。

だって、食べたくても食べられない人の気持ちは痛いほどよくわかるから。

10月5日(復帰後初の休日)

怒涛の一週間を終え、ゆっくりできる休日。

仕事の疲れからか昼過ぎまで寝てしまった。

 

ちびちびとエレンタールを飲みながら、

3時のおやつにはエレンタールゼリーを食べるという荒業を発揮。

 

夕方に向けてカツオと昆布のだしを取っておく。

一番だしは茶碗蒸しやお吸い物、二番だしは味噌汁に使う予定。

もちろん一気には食べられないので平日用に冷凍で保存した。

10月6日

昨日作った出汁で茶碗蒸しを作成。

とはいっても溶き卵を出汁で薄めレンジでチンするだけのお手軽料理。

お粥と茶碗蒸しだけでも出汁がしっかり利いているから満足感が得られた。

 

日中はYoutubeとHuluを観ながらだらだら。

休むことが明日の英気を養うんだ!と自己肯定感を高め全力でだらけていた。

一日で動いたのはトイレの往復くらいではないだろうか。 

まとめ

1か月のブランクを経ての職場復帰ということもあり、体力的にも大変な1週間でした。

でもやはり僕は管理栄養士という仕事が好きみたいです。

毎日が楽しく、仕事をさせてもらえることにとても感謝した1週間でした。

まだまだ体力的に不安なところはありますが明日からも一生懸命働きたいと思います。

 

長かった夏も終わり、10月になってようやく朝晩の風が涼しく感じてきました。

季節の変わり目はIBD患者さんが体調を崩しやすい時期でもあります。

「体調に注意して」なんて愚問かもしれませんが、無理はしないように。

くれぐれも僕のように窓を開けっぱなしで寝てしまわないようにしてくださいね。

退院後の経過報告と絶食後の食事の考え方【2019.9.26-9.29】

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こんにちは。管理栄養士兼クローン病患者のえいおにです。

3週間の入院を経て無事退院。

日常生活もなんとか可能になってきたので現在の経過をお伝えしたいと思います。

退院後の経過

9月26日(退院初日)

3週間の入院を経て退院。

10月になろうとしているのに、まだ外は蒸し暑く、入院した9月初旬と気候の変化は感じられない。

電車を待つためにベンチに座っていると

「この3週間、自分はほんとうに入院していたんだろうか」と思ってしまうほど世界は今まで通りに動いていた。

異様に重たい身体だけが入院していたことを教えてくれている。

 

入院中はずっと絶食。退院数日前からエレンタールを飲み始めた。

退院してからの第一目標は日常生活に慣れること。

幸い僕は、エレンタールをおいしいと感じる特異体質を持っているため食事は二の次でも大丈夫。

まずはエレンタール中心で。固形物の摂取は数日後でいいかなと思った。 

9月27日(退院2日目)

退院の報告のため自分が勤務する病院へ。

仕事は好きだし早く復帰したいという意向を伝え来週はじめから出勤できることになった。

地下にある栄養科に行くための階段が怖い。足に力が入らず気を抜けば転げ落ちてしまいそうだ。復帰するなら体力をつけないと。

食事も食べてみようかと思ったけど、また血便が出てしまうのが不安で今日はやめた。

具なしの味噌汁だけ飲んでおこう。

9月28日(退院3日目)

体が重い。

ステロイドを飲んでいるせいで夜もあまり眠れないし、朝早く起きてもソファーから動くことが出来ない。

「体調が良くなった」と自分に言い聞かせて退院したけど、また入院になったらどうしよう。

 

午後になったら少し動けるようになってきた。

寝てるだけでは体力もつかないし、少し座ってYouTubeでも見よう。

おすすめリストは大食いの動画ばかり。

チーズで味変って言ってるけど、こんなにかけたら脂質多いだろうな…。

動画をおかずに久しぶりのお粥を食べてみた。

9月29日(退院4日目)

いよいよ明日から仕事復帰。

体力は心配だけど、元気なふりをしようと思う。

リハビリも兼ねて、職場に渡す「菓子折り」を買いに行った。

外は暑いし、歩きまわるのも疲れたけど、無理しなければ歩けることはわかった。

 

今日の食事は黄身少なめの卵粥と具なし味噌汁。

本当は食物繊維系も食べてみようと思ったが止めておいた。

ゆっくり行こう。

 絶食後の食事の考え方

クローン病の食事療法といえば低脂肪+低残渣食が一般的でしょう。

これは腸管の負担を減らすために考えらえた食事で、脂質や食物繊維により腸管の運動が活発になるのを抑える効果を期待しています。

口内炎があるときに口を動かしたくないのと一緒で、腸に炎症があるときには腸をなるべく動かさないようにします。

特に絶食後は腸管がずっと休んでいた状態。

いままで食べられていたような食事でさえも腸の負担になる可能性があります。

絶食後の食事の実際

数日から1週間ほどかけて絶食前の食事(低脂肪・低残渣食)を目指していきます

まずは流動食。重湯や具なしの汁物などでお腹の様子を確認します。

1食食べて問題なければ次の食事から少し米粒のある分粥食を食べてもよいです。

ただ急ぎ過ぎると再燃の危険もありますので1日は流動食で様子をみるのが良いでしょう。

その後は人にもよりますが、お粥にプラスして食物繊維系(柔らかくした野菜類)か脂質系(卵や豆腐)を食べながらお腹の様子を見ます。

気を付けるのは初めからたくさん食べ過ぎないということ。

野菜類なら小鉢に少し、脂質系なら卵半分など今まで食べられていたものより少ない量から始めることが必要です。

そのあとは少しずつ食物繊維・脂質を増やし絶食前の食事を目指していきます。

まとめ

今回は退院後の経過報告と絶食後の食事の考え方についてお話ししました。

基本的には管理栄養士が入院中の食事を管理してくれるはずなので、心配は少ないかと思います。

が今回は、自分のお腹で起こっていることをわかるのも良いかなと思いこのような記事を書いてみました。

さいごまでお読みいただきありがとうございます。

また次回の記事でお会いしましょう。

【クローン病の治療】入院経過報告⑤ 2019.9.5-9.26入院まとめ

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こんにちは。管理栄養士兼クローン病患者のえいおにです。

3週間の入院を経て退院となりましたので経過を記録しておきます。

入院中の経過

入院初日(9月5日)

CRP 3.17mg/L

入院直後に首から中心静脈ルートを留置し絶食へ。

もともと新薬の治験を行っていたためまずは絶食で様子観察するも、CRPは下がらず。

9月10日

CRP 4.88 mg/L

9月11日

CRP 4.33 mg/L

9月12日

治験を中止しエンタイビオ投与開始。

腹痛などクローン病の自覚症状としての改善はなし。

9月17日

CRP 5.11mg/L

エンタイビオ投与後から出現していた顔の発赤とニキビのため皮膚科受診

9月18日

炎症反応の改善乏しいためステロイド点滴40mg/日で開始。

9月20日

CRP 2.26 mg/L

9月24日

CRP 1.23 mg/L

9月25日

2回目のエンタイビオ投与。自覚症状の変化はなし。顔の赤みもみられない。

ステロイド点滴40mg→プレドニン内服30mgへ減量。中心静脈ルート抜去。

9月26日

退院

クローン病治療における絶食の効果

一般的にクローン病では腸管の炎症を抑えるために絶食が有効とされています。

このため今回の入院でも栄養確保は点滴で行い、絶食で腸管の安静を保つことに。

軽い炎症であればこれでCRPが下がってくるのですが、僕の場合はなかなか頑固な炎症なようで絶食だけでは改善は乏しい状態でした。

クローン病に対するエンタイビオ導入の効果

今回の入院で、クローン病に新しく認可されたエンタイビオの投与を開始しました。

1回目が9月12日。2回目が9月25日です。

レミケードやヒュミラとは違い、炎症成分自体を抑える効果はないため投与直後の劇的な改善効果はわかりませんでした。

投与スケジュールとしては

1回目

2週間後に2回目(今ここ)

4週間後に3回目

8週間後に4回目

以後8週間ごとに投与

の予定。

 

ゆっくりと効果が出てくる薬剤ですが、2回目時点では変化はありません。

 まとめ

エンタイビオとステロイドを開始しなんとか炎症反応は改善し退院することができました。

とはいえ、入院中の3週間は食事を食べていませんし、ほとんどがベッドの上での生活だったため体力も落ち気味。

来週までは自宅でゆっくり過ごし、固形物の摂取と体力の回復を図っていく予定です。

あと4日で仕事(デスクワーク)に耐えられる程度の体力を目指したいと思います。

【クローン病の治療】入院経過報告④ 採血結果と今後の治療計画

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こんにちは。管理栄養士兼クローン病患者のえいおにです。

今回も入院中の経過報告をしていきたいと思います。

これまでの経過については以前の記事に記載しておりますので気になる方はご覧ください。 

oni-nutrition.hatenablog.com

 待ちに待った採血日

エンタイビオを投与し12日、ステロイドを40mgで開始し1週間後の結果です。

結果は・・・

 

CRP1.23

 

よかった。

腹痛が続いていたのでCRPが上がっていたらどうしようと心配していたのですが、今回の採血でも炎症は順調に下がっていました。

CRPが下がっている=潰瘍が改善しているというわけではないのでこれからも油断は禁物ですが、まずは一安心です。

 

現在続いている腹痛はエレンタールの影響もあるのかもしれません。

久しぶりの仕事でびっくりしている腸ですので、エレンタールはゆっくり続けていきたいと思います。

もう少し飲み続けたら腸の吸収能力も戻ってくるはず。

今後の治療計画

明日はいよいよ2回目のエンタイビオ投与です。

気になるポイントは

  • エンタイビオの投与により自覚症状の変化はあるのか
  • 前回みられた顔面の発赤とニキビが再発しないか

という2点です。

 

1回目のエンタイビオ投与では自覚症状の変化は乏しく、採血結果としても炎症反応の改善は見られませんでした。

今回はステロイドも併用しているので、CRPが下がったとしてもステロイドの影響なのかエンタイビオの影響なのかはわかりませんが、現在続いている腹痛、下痢、血便などの症状が改善すればエンタイビオの影響といえるかもしれません。

また前回エンタイビオを投与した数日後には顔面の発赤とニキビが出現しました。

1回の投与だけではエンタイビオの影響とは断定しにくかったので、2回目の投与で同じように顔面の発赤やニキビが起こればエンタイビオの副作用の可能性もありますね。

退院に向けて

急ではありますが、明日のエンタイビオ投与が終了したら翌日には退院しても良いと許可をいただきました。

退院に向けて明日からプレドニン点滴40mgをプレドニン内服30mgに変更する予定です。

首からの点滴も続いていますがエンタイビオ後に抜けるのかな。

食事も3週間食べていないので退院してからしばらくは腸管の復活を目指す食事になりそうです。

 

ちなみにこの急な退院は、僕が早く仕事に復帰したいと主治医にお願いした結果です。

普通の患者さんならこんなに簡単に投げ出されないと思うので心配しないでください。

さいごに

退院してからは、自分の食事内容をもとに絶食後の回復食ついてもお話していきたいと思います。

再燃期の食事としても活用できる部分があると思いますので参考にしてみてください。

 

今回は以上になります。

ご覧いただきありがとうございました。

【クローン病の治療】入院経過報告③ 炎症改善とエレンタール再開

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こんにちは。管理栄養士兼クローン病患者のえいおにです。

今回も入院中の経過報告をしていきたいと思います。

以前の経過についてはこちらに記載しておりますので気になる方はご覧ください。

oni-nutrition.hatenablog.com

 炎症(CRP)の変化

前回からプレドニンを40mg/日で開始。

やはりステロイドの効果は素晴らしいもので、絶食だけでは下がらなかったCRPが9月20日時点で2.26まで改善しています。

加えてエンタイビオ開始後に発生していた顔面の発赤とニキビもひとまず落ち着き、現在は少し赤い程度まで治まりました。

ステロイドで発赤が改善したことを考えると、腸管で吸収されなかった炎症成分が関係していた可能性があるのでしょうか。

現在は治まりつつあるので今となっては詳しくわからないですが、新しい薬ということもあってまだまだ副作用も不明な点が多そうです。

エンタイビオ投与後の体調

さて、エンタイビオを投与しもうすぐ2週間。

皆さんが気になるのが体調の変化だと思いますが、

体感としては

 

・・・よくわからない。

 

CRPとしては改善しているのですが、同時に開始となったステロイドの影響が強いような印象。

何度か続けていくことで効果が実感できるかもしれないので、引き続き体調の変化は記録していきたいと思います。

おかえりエレンタール

CRP改善に伴い9月21日からエレンタールが再開になっています。

初日は1日に1包、2日目は1日2包、3日目(本日)からは1日3包にアップしています。

僕は根っからのエレンタール信者なのでやっと再会できた相棒に感謝を抱きつつ、毎日おいしくいただいています。

おそらく9割以上の人がエレンタールをマズイと思うのでしょうが、

僕はエレンタールを全然マズイと思わないんです。

さいころから長年飲み続けているのもありますし、食事を食べることの不安感よりエレンタールを飲む安心感のほうが大きくて、依存しているところがあるのかもしれませんね。

 

ちなみに初日のエレンタールは500mlに1包と薄い濃度で作りました。

豆知識ですが、長期の絶食を行うと腸管からの吸収能力が下がります。

このため今まで飲めていた濃度のエレンタールでも下痢をしてしまう可能性が高くなります。

絶食後の食事で重湯やみそ汁を食べた経験がある方も多いと思いますが、これも腸管の吸収低下を予想してのものです。

「久しぶりに食べるとお腹がびっくりするから」という皆さんのイメージは正しく、

休んでいた腸に今まで通りの食事が入ってしまうと腹痛・下痢など腸の刺激につながってしまうので注意しましょう。

さいごに

連休中は特に検査もなく自覚症状での評価にはなりますが、エレンタールが再開してから少し腹痛が出てきています。

連休明けの明日は採血の予定もありますのでCRPが上がっていないことを願うばかりです。

9月25日には2回目のエンタイビオ投与も予定していますので、経過についてはまた報告していきたいと思います。

 

今回は以上になります。

ご覧いただきありがとうございました。

クローン病について知ろう!~病気の成り立ちから治療まで~

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クローン病は現在の医療では完治が難しい病気です。

一生付き合っていかなければならない病気だからこそ、どんな病気なのかは知っておく必要があるでしょう。

クローン病と診断されたばかりの人には本記事が病気について知る機会に、

クローン病歴が長い人には本記事が病気について再確認する機会になれば幸いです。

クローン病とは?

クローン病は口から肛門までのすべての消化管に炎症や潰瘍を形成する病気で、再燃(活動)と寛解を繰り返すのが特徴です。

厚生労働省特定疾患登録患者数は2015年時点で39,799人であり年々増加傾向にあります。日本の人口で考えるとクローン病患者は4000人に1人程度の割合です。

クローン病の病態

日本では男女比が2:1と男性が多く、20~24歳の若年層に発症しやすい傾向があります。

病気の主体としては、小腸から大腸を中心とした炎症と潰瘍ですが、小腸・大腸以外にも口から肛門まですべての消化管に発症する可能性があります。

特徴的な病変としては、腸管の走行に合わせてできる縦長の縦走潰瘍とぼこぼことした腸管粘膜を形成する敷石状粘膜があります。

また、炎症・潰瘍以外にも狭窄や瘻孔などが出現するのも特徴で、これらの再発・再燃を繰り返しながら進行していきます。

クローン病の原因

クローン病はいまだに原因不明の病気ではありますが、要因としては遺伝、感染症、免疫異常などが考えられています。また、絶食による炎症反応の改善がみられることから、腸内細菌が影響している可能性も示唆されています。

クローン病の症状

主な症状としては腹痛、下痢、発熱、肛門部痛、出血、食欲不振、体重減少が挙げられます。

腸管にできた潰瘍や炎症の痛みによって腹痛や出血が起こるだけでなく、炎症部や潰瘍部から腸液が染み出てくることにより下痢も起こりやすくなります。

また肛門部による潰瘍は排便時の痛みに繋がる上に、潰瘍形成が続くと膿が溜まり常時痛みが出現する状態にも陥ります。

長期間続く炎症により食欲が落ちたり、それによって体重が極端に減少することもあります。

クローン病の診断

クローン病の診断は特徴的な縦走潰瘍・敷石像など内視鏡的所見が中心です。しかし特徴的な内視鏡所見が得られない場合には、生検病理、広範囲の炎症、肛門や上部消化管病変により診断できます。

クローン病の分類

クローン病は➀罹患範囲、②炎症パターン、③重症度によって分類されます。

罹患範囲による分類

クローン病の病変は、縦走潰瘍、敷石像または狭窄などの存在部位により小腸型・小腸大腸型・大腸型に分類されます。

炎症のパターンによる分類

炎症が主で狭窄や瘻孔などの合併がない炎症型、瘻孔形成を有する瘻孔型、狭窄病変を有する狭窄型に分類されます。

重症度分類

クローン病の重症度によって軽度、中等度、重度に分類します。

【軽症】 CDAI:150~220 合併症:なし

     炎症(CRP):わずかな上昇

【中等症】CDAI:220~450 合併症:明らかな腸閉塞などなし

     炎症(CRP):明らかな上昇 治療反応:軽症治療に反応しない

【重症】 CDAI:450<   合併症:腸閉塞・膿瘍など

     炎症(CRP):高度上昇   治療反応:不良

クローン病の合併症

クローン病では、腸管以外にも全身のさまざまな部位に合併症が出現する可能性があります。腸管外合併症は40~60%のクローン病患者に認められ、腸管の炎症により悪化するものと、炎症とは関係なく悪化するものがあります。

壊疽性膿皮症

痛みを伴った潰瘍病変で、すね足の前面やストマ周囲に起こりやすいです。

結節性紅斑

数cm大の痛みを伴った赤い斑が出現し、皮膚の生検を行うことで確定診断に至ります。

足に出現しやすく、関節炎も同時に起こり、クローン病の初期症状として出現することもあります。

アフタ性口内炎

口にできる潰瘍です。痛みが強いため水を飲むのも困難になることがあります。

クローン病の治療以外にもステロイド薬を用いたうがいをすることで改善することがあります。

末梢性関節炎

クローン病において高い頻度で出現する合併症です。

膝、足、股、手など大きな関節で起こる痛みはクローン病との関連があるものが多いですが、指などの小さな関節で起こるものは、クローン病の悪化とは関係なく出現する可能性があります。

骨粗鬆症

炎症を抑えるために用いられるステロイドによる副作用で骨粗鬆症が起こります。

また、クローン病による低栄養、低カルシウム血症、活動の低下による影響もありますので、高齢者だけでなく若い人たちにも注意が必要です。

クローン病の経過

クローン病は再燃と寛解を繰り返しながら徐々に悪化をしていく病気です。

初期では炎症が主な症状であっても、再燃を繰り返していくうちに狭窄や瘻孔、膿瘍などの腸管合併症を引き起こし、外科手術が必要になる場合も少なくありません。

診断時から狭窄や瘻孔がみられる患者は18.6~37.9%。炎症中心の患者が狭窄や瘻孔を引き起こす可能性は、10年で17~29%、20年で40%ともいわれています。

また、手術を行う割合は5年で30.3%、10年で45.5%、15年で73.7%であり、手術後の再燃で手術になる割合は3年で12.5%、5年で26~43.5%、10年で61~69.2%と報告されています。

クローン病の治療

クローン病の治療には、食事や経腸栄養などによる栄養療法と、内服や生物学的製剤による薬物療法が用いられます。

栄養療法

経口栄養

腸管への負担を減らすために低脂肪・低残渣食を心がけます。

脂質の摂取は腸管の活動を増やすため傷ついた腸の負担になることがあります。

また、炎症の原因とひとつとされておいる炎症性サイトカインは脂肪細胞から放出されるため、脂肪制限により炎症性サイトカインの発生を抑える効果もあります。

寛解期であれば脂質20~30g以下、活動期であればさらなる制限が必要です。

低残渣食は主に食物繊維の制限を行います。

具体的には食物繊維10g未満を目標とし、消化の悪い根菜類、きのこ類、海藻類を避けた食事が望ましいです。

経腸栄養

腸管の活動を抑えながら十分な栄養を摂取するためには食事以外にも経腸栄養剤を使用するのが望ましいです。

クローン病で主に用いられる栄養剤は成分栄養剤であるエレンタールであり、栄養成分が吸収しやすい状態まで分解されているのでクローン病におけるもっとも安全な食事ともいえます。

中心静脈栄養

活動期には腸管の安静を保つために完全絶食を行い、栄養補給のために注人静脈栄養を導入します。

腕などの細い血管から行う点滴とは違い、首などの太い血管から栄養を入れるためより多くのエネルギーを投与できるというメリットがあります。

薬物療法

一般的にStep-up療法とAccelerated step-up療法とTop-down療法があります。

Top-down療法とは、初期より生物学的製剤と免疫調整薬の併用から始めることで、step-up療法とは、5-ASA製剤や栄養療法から徐々に治療強化する方法、Accelerated step-up療法は早めに治療強化していく方法を指します。

腸管ダメージリスク因子の評価を行い、➀広範囲の小腸病変、②内視鏡的に重症な潰瘍、③診断時の肛門病変、④狭窄型もしくは穿孔型、⑤若年発症、⑥複数回の手術、⑦喫煙から複数のリスクが認められた場合にはTop-down療法、リスクが少なかった場合はStep-up療法が選択されます。そしてStep-up療法で寛解維持が可能な場合はそのまま継続、活動性が持続する場合はAccelerated step-up療法へ移行し治療を強化します。

まとめ

今回はクローン病について病気の成り立ちから治療までお話ししてきました。

クローン病は現在の医学では完治の難しい病気です。

一生付き合っていく病気だからこそ、クローン病について理解し、病気や症状と上手に付き合っていくようにしましょう。

【クローン病の治療】入院中の経過報告②

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こんにちは。管理栄養士兼クローン病患者のえいおにです。

前回に引き続き入院中の経過報告をしていきたいと思います。 

入院後の治療のおさらい

入院後に絶食+中心静脈栄養を開始。腸管を休ませて炎症を改善させようとしていました。

入院直後の採血ではCRP3.17。絶食+中心静脈栄養を開始していた入院5日目がCRP4.88。

絶食の効果も乏しく炎症は少しずつ上がってきてしまっていました。

それまでは治験薬での治療を継続していましたが、治療方針を変更。

9月12日にエンタイビオが開始になっています。

エンタイビオの効果と投与後の変化

エンタイビオを投与してからも腹部症状の変化はありません。

良くなっている印象も悪くなっている印象もなく自覚症状は乏しいです。

ちなみに9月17日の採血ではCRP5台と悪化傾向でした。

いずれまた作用機序については記事にするつもりですが、エンタイビオは腸管に炎症成分が結合するのを抑える薬剤です。

直接的に炎症を抑える薬ではないので効果がすぐにはでないのかもしれません。

お腹への影響はあまり感じないのですがひとつ変化があったことがあります。

それが顔面の発赤とニキビの発生です。

もともとプレドニンの副作用でニキビは出来やすかったのですが、エンタイビオを投与してから顔面全体がただれたように赤くなり、白ニキビがたくさん出来てしまいました。

エンタイビオはクローン病で認可されてから日が浅い薬剤。そのため副作用の報告も少ないようです。

主治医曰く「腸管からの炎症成分吸収が抑えられるだけで、その炎症成分がどこに行くかは分からない。」とのこと。

個人的には、腸管に吸収されなかった炎症成分が顔にいっても不思議ではないかなと思っています。

いずれにせよ、エンタイビオはまだ良い効果を発揮してくれてはいません。

 今後の治療方針

エンタイビオの効果がまだ乏しいこと、絶食でもCRPが下がらないこと、顔面の発赤が炎症の可能性があることを踏まえ9月18日からプレドニン点滴が開始になりました。

その量40mg。

…多いですよね。炎症は治まるでしょうけど、ムーンフェイスなど副作用が怖いです…。

個人的にはステロイドで良くなりすぎると空腹感から食事療法がおろそかになってしまうので、ほどほどの所で減量していきたいなと思っています。

さいごに

今日は入院報告②ということでステロイドを導入したことをご報告いたしました。

微熱は続いているしCRPもまだ高いので今後の治療に期待ですね。

入院中の経過はまた随時報告していきます。

ご覧いただきありがとうございました。